対位法の泉

前半は対位法についての説明と実習、後半は16世紀から20世紀後半辺りまでの対位法の歴史について譜例を付して説明されています。また、各作曲家毎に特徴が整理して説明されています。いわゆる現代音楽辺りまでカバーされている対位法の本は国内で出版されているものとしては貴重だと思います。作曲、編曲を学ばれている方には参考になると思います。記述されている作曲家はマショー、オケゲム、オブレハト、イザーク、ジョスカン、ジャヌカン、アルカデルト、パレストリーナ、ラッソ、ハスラー、ヴィクトリア、シュッツ、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、シューマン、ワーグナー、ブラームス、フランク、マーラー、ドビュッシー、ラヴェル、サティ、バルトーク、ウェーベルン、ストラヴィンスキー、メシアン、ケージ、シュトックハウゼン、ブゾッティ、リゲティ、クセナキスなど。天や地に細かなシミあります。中は書き込みなどなく、状態は良いと思います はじめに 謝辞 第１部　対位法の理論 対位法と和声 対位法の意味 対位法理論の本質 対位法理論の重要性 対位法にはどのような要素があるか 対位法の位置 対位法は何故必要か 対位法理論における二つの異なる様式 教会旋法 旋法を用いる時の留意点 定旋律とは 定旋律の実習 対位法の原則 第２部　対位法の実習 二声対位法 二声自由対位法 三声対位法 四声対位法 五声対位法 六声対位法 七声対位法 ハ声対位法 転回対位法 第３部　模倣 模倣とは 模倣の仕方 模倣の種類 カノンとは カノンの種類 第４部　対位法理論の歴史 対位法理論の歴史的概観 対位法の誕生とその発展 第５部　諸作家の実例 G.de マショー(14世紀)〜G.リゲティ(20世紀) 参考文献 著者経歴 吉崎清富 １９６４年東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。１９６７年東京芸術大学大学院音楽研究科修士課程修了。１９７１年国立ベルリン造形美術音楽大学卒業（西独政府給費留学生）。１９７１年ベルリン工科大学研究員。１９７２年鹿児島大学教育学部講師。１９７３年鹿児島大学教育学部助教授。１９８７年東京学芸大学教育学部教授。１９９０～９１スタンフォード大学、ニューヨーク大学、ＩＲＣＡＭの各客員研究員。２０００年大阪大学大学院文学研究科より学位論文「杵屋正邦における邦楽の解体と再構築」にて文学博士号を取得。現在、東京学芸大学教授