絵本『エレーナのセレナーデ』 あたしのとうさんはガラス吹き。 とうさんが、ほっぺたをふくらまし、長いさおに息を吹きこむと、さおの先っぽにびんができる。 まるで魔法みたいなんだ。 「あたし、ガラス吹きになりたい！ガラスの作り方をおしえて」と、とうさんにたのんだけど「だめだ、熱いガラスにさわってやけどしちまうよ。それに、女の子のガラス吹きなんて、きいたことがない」といった。 あたしは、男の子のかっこうをして、ガラス吹きが多くいるモンテレイのまちに行くことにきめた。 モンテレイのガラス吹き工房では、思いきってガラス吹きになりたい、とうちあけた。 はじめは、みながばかにしていたが、あたしは、目をとじて、息を深くすい、ほっぺたを大きくふくらまして「小さな星」という曲を吹きはじめた。 すると、さおの先にはガラスの星ができている！ みんなはおどろき、親方があたしとあくしゅをした。 ある晩、あたしは「ツバメ」の曲を吹いてみた。 海の上を飛ぶツバメの歌だ。 すると、ガラスのツバメがあらわれた。 曲を吹いているあいだ、ツバメのはねは、どんどん大きくなっていった。 そして、部屋いっぱいに広がるほどの大きさになった。 こんなにすごいものが作れたんだ！ あたしは、とうさんに見てもらいたくなった。 そしてツバメによじのぼり、もういちど「ツバメ」の曲を吹いた。 ツバメはゆっくりと空中に浮かんだ。 飛んでる！ さおに息を吹きこむと、ツバメは空高く浮かんだ。 さいごにそっと、ツバメはユリの花ばたけにふんわりおりた。 あたしは、うちまで走るとじぶんのベッドでねむった。 よく朝、あたしはもういちど男の子のかっこうをして、こんどは白いひげをつけて、とうさんにわたしだと、きずかれないようにして「ちょうちょう」という曲を吹くと、さおからガラスのちょうちょうが飛びたち、はねをぱたぱたさせて飛びまわった・・・ DVD『アンパンマンとわくわくプリンセス』 5本立てです。 ①かまめし王子とサラダ姫 ②氷の女王とフラワーランド ③しょくぱんまんとしらたま姫 ④ロールパンナとつばき姫 ⑤化石の魔王とカステラの城