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本黄楊念珠
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カラー···ブラウン 直径7.5cm、魂入れは行っております。 黄楊(つげ/柘植/柘)は、非常に成長が遅い植物の為、木目(きめ)が大変緻密な為、しなやかでく割れにくいという特徴があります。 また【しなやかさと硬さ】を両方兼ね備えた特性から、彫刻細工に最適な素材として、重用されてきました。 例えば、つげ櫛は、折れにくい固さとしなやかさ、そして適度な油分、木製による静電抑制効果による髪へのダメージを抑え、空気中の汚れを寄せ付けない事による頭皮へのトラブル予防にもなる事から、万葉集の中にも詠まれるほど、日本人に親しまれて来ました。 また、つげの持つ【しなやかさと固さのバランスが理想的】【長い年月を経て色身や艶がだんだん良くなる】といった特徴から【夫婦の絆】【夫婦円満】を表し、縁起の良い素材としても木工細工やお守りなどに活用されてきました。 成長が遅い上に珍重される素材の為、将棋の駒として同じ木目、同じ木味のワンセットをそろえる事が困難な為、どうしても高価になってしまいます。 ※黒檀の将棋駒も見た事ありますが、白い文字でした。 本黄楊(ほんつげ)は、日本で採取された黄楊を指し、東京都沖合の御蔵島で採れる黄楊を島黄楊(しまつげ・御蔵島黄楊みくらじまつげ)、九州鹿児島産黄楊を(薩摩黄楊さつまつげ)と呼び、国産黄楊では最上とされ市場で流通されています。 本黄楊以外では、東南アジア原産のシャム黄楊、雲南黄楊(当店では取扱いしていません)、楓材やアオカ、樺などの駒生地が流通されています。 木目に関しましては、虎斑(とらふ)や孔雀斑(くじゃくふ)、杢(もく)など、珍しくて希少価値の高い木目があり、複数の黄楊の木から木目をそろえる為、非常に珍重されます。 また木の目の流れ方を目(め)と呼びますが、その一つ柾目の中でも赤柾(あかまさ)・糸征(いとまさ)など、珍しい物もあります。 また、黄楊の駒は経年変化により、色身が段々と濃い飴色に変色していく為、真新しい生地材より、年数の経った中古の駒も状態が良ければ、色身が濃くなっていて高値で取引されます。
文化財保護法の改正とその課題